サイコクキツネヤナギ	バッコヤナギ	マルバヤナギ	ヤマヤナギ
	ヤナギ科ヤナギ属	ヤナギ科ヤナギ属	ヤナギ科ヤナギ属	ヤナギ科ヤナギ属
葉と 枝
	①分布等：本州（近畿地方以西）、四国、九州（北部）の山地に自生する落葉低木。日本固有種。雌雄異株。 株立ちとなり、高さは0.5～２ｍになる。 数年枝の裸材には長さ0.3～1ｃｍの顕著な隆起線がある。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-単きょ歯-側脈は葉縁に達しないか不明瞭-きょ歯は全縁にある-落葉性（図31）。 ③葉は互生する。	①分布等：北海道（南西部）、本州（近畿地方以北）、四国 の山地に自生する落葉小高木。日本固有者。雌雄異株。 1本立ちで、高さ３～10mになる。 数年枝の裸材に0.7～2.2ｃmの顕著な隆起線がある。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-単きょ歯-側脈は葉縁に達しないか不明瞭-きょ歯は全縁にある-落葉性（図31）。 ③葉は互生する。	①分布等：本州（東北以西）、四国、九州 の日当たりのよい河畔などに自生する落葉高木。雌雄異株。 1本立ちで高さ10～20mになる。 数年枝の裸材に隆起線はあるが、長さは0.2～0.6ｃｍと短く目立たない。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-単きょ歯-側脈は葉縁に達しないか不明瞭-きょ歯は全縁にある-落葉性（図31）。 ③葉は互生する。	①分布等：本州（近畿地方以西）、四国、九州 の丘陵～山地に自生する落葉低木。雌雄異株。 幹は株立ちとなり、高さは2～3ｍ。 数年枝の裸材に隆起線はあるが長さ 0.2～0.3ｃｍと目立たない。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-単きょ歯-側脈は葉縁に達しないか不明瞭-きょ歯は全縁にある-落葉性（図31）。 ③葉は互生する。
葉表
	④葉身は、長さ 5～12cm、幅 2～5.5cmの長楕円形～長楕円倒卵状形。 ⑤葉柄は0.5～1.3ｃｍ。 ⑥葉の先端は急に尖り、基部は基部は楔形～円形。 ⑦縁には下部を除き先端が腺になる浅い波状のきょ歯がある。 ⑧新葉の縁は巻かない。 ⑨葉脈は表面で凹み裏面に隆起し、表面のシワガ目立つ。 ⑩表面は深緑色で無毛。	④葉身は、長さ 10～15cm、幅 3.5～4.5cmの楕円形。 ⑤葉柄は1～2ｃｍ。 ⑥葉の先端は急に鈍く尖り、基部は円形。 ⑦縁には浅く切れ込むきょ歯がある。 ⑧新葉の縁は全縁で裏側に巻く。 ⑨葉脈は表面で凹み裏面に隆起し、表面のシワガ目立つ。 ⑩葉質は革質で厚く、表面は深緑色で無毛で、やや光沢がある。	④葉身は長さ 5～15ｃｍ、幅 2～6ｃｍの楕円形。  ⑤葉柄は長さ 1～1.8cm。 ⑥葉の先端は尖り、基部は広い楔形。 ⑦縁には先端が腺になる細かいきょ歯が全縁にある。 ⑧新葉は赤味を帯び、縁は巻かない。 ⑩葉の表面は緑色で無毛。	④葉身は、長さ 8～14cm、幅 2.5～5cmの楕円形。 ⑤葉柄は 1～2cm。 ⑥葉の先端は尖り、基部は楔形。 ⑦縁にはやや内曲する低い波状のきょ歯があり、きょ歯の縁はやや肥厚しては裏側に反る。 ⑧新葉の縁は巻かない。 ⑩表面は濃緑色で光沢がある。
葉裏
	⑪裏面は灰白色または淡緑色で、脈上に鉄さび色の軟毛が密生する。	⑪裏面は白色の縮れた毛を密生し、粉白色を帯びる。	⑪裏面は淡白色で無毛。	⑪裏面は粉白色で、若葉では綿毛が密生するが、やがて無毛となる。
葉表 拡大
	⑦縁には下部を除き先端が腺になる浅い波状のきょ歯がある。。	⑦縁には浅く切れ込むきょ歯がある。	⑦縁には先端が腺になる細かいきょ歯が全縁にある。	⑦ 縁には低い波状のきょ歯があり、鋸歯の縁はやや肥厚して裏面側に巻く。
葉表 拡大2
	⑤葉柄は0.5～1.3ｃｍ ⑫托葉は腎形で明瞭。 ⑬若い枝は褐緑色でやや太く無毛。 ⑭数年枝の裸材には長さ3～10ｍｍの顕著な隆起線がある。	⑤葉柄は1～2ｃｍで赤味を帯びる。 ⑫托葉は腎形で小さい。 ⑬若い枝は褐色、はじめ短毛があるが、のち無毛。 ⑭数年枝の裸材に長さ7～22ｍｍの顕著な隆起線がある。	⑤葉柄は長さ 1～1.8cmで赤味を帯び、表側に1対のいぼ状の腺体がある。 ⑫托葉は円形で大きいきょ歯がある ⑬若い枝は灰褐緑色でやや太く無毛。 ⑭数年枝の裸材に隆起線はあるが長さは2～6ｍｍと目立たない。	⑤葉柄は1～2ｃｍで紅色を帯びる。 ⑫托葉は鎌形で鋭いきょ歯がある。 ⑬若い枝は、緑褐色で、はじめ綿毛があるが、のち無毛となる。 ⑭数年枝の裸材に隆起線はあるが.長さ2～3ｍｍと目立たない。
葉裏 拡大
	⑪裏面は灰白色または淡緑色で、脈上に鉄さび色の軟毛が密生する。	⑪裏面は白色の縮れた毛を密生し、粉白色を帯びる。	⑪裏面は淡白色で無毛。	⑪裏面は粉白色で、若葉では綿毛が密生するが、やがて無毛となる。
托葉 拡大
	⑫托葉は腎形で明瞭。	⑫托葉は腎形で小さい。	⑫托葉は円形で大きいきょ歯がある。	⑫托葉は鎌形で鋭いきょ歯がある。
裸材
	①数年枝の裸材には長さ0.3～1ｃｍの顕著な隆起線がある。	①数年枝の裸材には長さ0.7～2.2ｃmの顕著な隆起線がある。	①数年枝の裸材に隆起線はあるが、長さは0.2～0.6ｃｍと短く目立たない。	①数年枝の裸材に隆起線はあるが、0.2～0.3ｃｍと短く目立たない。
【見分け方のポイント】 サイコクキツネヤナギ・バッコヤナギ・マルバヤナギ・ヤマヤナギ は、いずれもヤナギ科ヤナギ属に属し、①葉は互生する、②葉幅が広く葉の形が楕円形～倒卵形である、③数年枝の裸材に隆起線がある点でよく似ているが、以下の点で見分ける。 ★サイコクキツネヤナギ：①低木で幹は株立ちする、②葉身は長さ 5～12cmの長楕円形～長楕円倒卵状形、③葉の先端は急に尖る、④表面のシワガ目立つ、⑤裏面は灰白色または淡緑色で脈上に鉄さび色の軟毛が密生する、⑥裸材に顕著な隆起条がある、⑦葉の縁は巻かない。 ★バッコヤナギ：①小高木で1本立ちする、②葉身は長さ 10～15cmの楕円形、③葉の先端は急に鈍く尖る、④表面のシワガ目立つ、⑤裏面は白色の縮れた毛を密生し粉白色を帯びる、⑥裸材に顕著な隆起条がある、⑦新葉の縁は裏側に巻く。 ★マルバヤナギ：①高木で1本立ちする、②葉身は長さ 5～15ｃｍの楕円形、③表面のシワはない、④裏面は淡白色で無毛、⑤数年枝の裸材に隆起線はあるが短く目立たない、⑥葉柄には1対のいぼ状の腺体がある、⑦托葉は円形で大きいきょ歯がある。 ★ヤマヤナギ：①低木で幹は株立ちする、②葉身は長さ 8～14cmの楕円形、③表面のシワはない、④裏面は粉白色で、若葉では綿毛が密生するが、やがて無毛となる、⑤数年枝の裸材に隆起線はあるがく目立たない、⑥葉柄の腺体はない、⑦托葉は鎌形で鋭いきょ歯がある。