①分布等:本州(関東以西)、四国、九州 の山地に自生する落葉低木~小高木。雌雄異株。幹は株立ちし、まばらに分岐し、高さ2~6mになる。樹皮は灰白色で平滑。 ②分類:広葉樹(直立性)-単葉-分裂葉-互生-きょ歯なし(図11)。 ③葉は互生し、葉身は 長さ 5~15cm、幅 4~13cm の広卵形。葉柄は1.5~3cm。葉先は通常3裂するが、稀に分裂しないか、2裂のこともある。裂片の先は鈍く尖り、基部は切形または浅い心臓形で、基部から分岐する太い3行脈が目立つ。 ④葉質はやや厚い。表面は鮮緑色ではじめ黄褐色を帯びた軟毛があるが、のち無毛。裏面は帯白緑色で、はじめ帯黄褐色の軟毛が密生するが、のち、葉脈上と基部に残る。葉柄はしばしば赤みを帯びる。若い枝は黄緑色または黄褐色、2年枝は灰褐色で円形~長楕円形の皮目が多い。枝や葉にはクロモジ属特有の香りがある。 ⑤花期は3~4月。雌雄異株。葉の出る前に黄金色の花を散形状に多数まとまってつける。雄花序は雌花序より大きく、花も雄花の方が大きい。果実は液果。直径約0.8cmの球形で、9~10月に赤色~黒紫色に熟す。 ⑥類似種:「シロモジ」に似るが、3行脈の分岐がダンコウバイは基部にあるに対し、シロモジは基部より少し上にある点、裂片の先がダンコウバイは鈍く尖るに対しシロモジは鋭く尖る点で区別できる。 ⑦名前の由来:「檀香梅」の意。「檀香」は「ビャクダン」の漢名。花がウメに似ていて、材がビャクダンのように香りがあるため。「檀香梅」は、もともとはロウバイの品種のひとつの名であったものが転用されたものとされている。 |
葉表 | 葉裏 | |
葉裏拡大 | 枝 | |
切れ込みのない葉 | 若い実 | |
雄花序 | 雌花序 | |
近影 | 近影2 | |
近影3 | 全影 | |