①分布等：本州（中部地方以西）、四国、九州 の山地に自生する落葉低木。高さ0.6～１ｍ。 ②分類：広葉樹（直立性）-単葉-分裂葉-互生-きょ歯あり（図12）。 ③葉は互生する。葉身は、長さ・幅とも 10～25ｃｍの五角形で、浅く3～5裂する。葉柄は長く 8～10cmで、葉身に楯状に付く。裂片の先端は尖り、基部はハート形。葉縁には不揃いなきょ歯がある。托葉は長さ約1cmの卵形で厚く、やや赤味を帯びる。 ④葉質は草質で薄く、表面は緑色で白毛が散生する。裏面は灰緑色ではじめ短毛を密生するが、のち葉脈上に開出毛が残る。葉脈上と葉柄には鉤状の刺が散生する。葉柄と若い枝は粉白色を帯び、緑色のものから赤色のものまである。 ⑤花期は7～8月。枝先に直径3～5ｃｍの白い花を1個だけ下向きにつける。樹高が低く、大きな葉の下につくので見つけにくい。果実は核果が多数集まった集合果（キイチゴ状果）。長さ3～4ｃｍの長楕円形で、表面に褐色の毛が密生し、8～9月に白く熟す。 ⑥類似種：多数の類似種があり、詳細は「キイチゴ属の検索表」参照。 ⑦名前の由来：葉柄が蓮の葉のように楯状に付くことから。

葉表	葉裏
葉表拡大	葉表拡大2
葉柄	葉裏拡大
花	近影