ヒマラヤスギ(別名:ヒマラヤシーダー) (マツ科ヒマラヤスギ属)
①分布等:本州、四国、九州 で植栽。ヒマラヤ北西部からアフガンスタン東部原産の常緑針葉高木。雌雄同株。幹は直立し、高さ20~30mになる。枝は水平に伸びて先端が下垂し、全体できれいな円錐形の樹冠を作る。樹皮は灰褐色で、古くなると鱗片状に剥がれる。
②分類:針葉樹-針状・線状・広線状葉-束生(図32)。
③葉は長枝にはらせん状に互生し、短枝には20~60本束生する。長さ2.5~5cmの針状。
④葉は、成葉では銀緑色、若葉では青白色。断面は鈍い三角形~円形で、各面に白い気孔帯がある。若い枝は黄褐色で、同色の毛が密生する。 
⑤花期は10~11月。雌雄同株。雄球花は長さ2~5cmで緑黄色の円筒形、短枝に頂生する。雌球花は浅緑紫紅色の円錐形で短枝に頂生する。種子は球果に包まれる。球果は、長さ5~13cm、直径5~6cmの卵形で、枝に直立してつき、翌年の10~11月に褐色に熟し裂開する。裂開は球果の軸から内側に種子を抱く種鱗がバラバラになって落ちる。その際、球果の先端部分だけは複数の種鱗がまとまった状態で落ち、その外観はまるでバラの花のように見えることから、シダーローズとも呼ばれる。
⑥類似種:「カラマツ」は、短枝に葉が束生することで本種によく似ているるが、本種の葉はやや硬い針状であるに対しカラマツの葉は柔らかくやや幅のある線形であること、また、本種は常緑樹であるに対しカラマツは落葉樹である点で区別できる。「ラクウショウ」や「メタセコイア」にも似るが、これらは、葉が2列に並んでつくので区別できる。詳細は「類似種の見分け方」参照。
⑦名前の由来:葉の形がスギに似ており、「ヒマラヤ産のスギ」の意であるが、実際は松の仲間である。別名のヒマラヤシーダーは、英名のHimalayan Cedarをそのまま使用した。
葉と枝
葉拡大
雄花 若い球果
球果 種子2個(大型の種鱗の内側に付く)
シダーローズ 近影
近影2 全影
 
 
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