クロマツ(別名:オマツ) (マツ科マツ属)
①分布等:北海道(南部)、本州、四国、九州、沖縄 の日当たりのよい海岸部の砂浜やそれに続く海岸、岩上に自生する常緑針葉高木。雌雄同株。幹には直幹と曲幹があり、高さ10~35mになる。樹皮は灰黒色で、亀甲状に深く割れる。
②分類:針葉樹-針状・線状・広線状葉-束生(図32)。
③葉は2葉性で、短枝が長枝上に螺旋状に互生し、短枝に2本の葉が束生する。長さ 10~15cm、幅 0.15~0.2cmの針形。横断面は半円形。
質は硬く、濃緑色で、先端は鋭く尖り、さわると痛い。基部には灰白色の鱗片がある。冬芽は円筒形で灰白色の多数の小鱗片に覆われる。若い枝は黄褐色。
⑤花期は5月。雌雄同株。雄球花は長さ1.5~2cmの長楕円状円柱形で、新枝の基部に群生する。基部に褐色の苞があり、その上に雄しべがらせん状に密生する。雌球花は紫紅色の球形で新枝の先端に2個ほどつく。種子は球果に包まれる。球果は、長さ4~6cm、直径3~3.5cmの卵形。はじめ紅紫色で、翌年の10月に褐色に熟し裂開する。
⑥類似種:「アカマツ」に似るが、本種はアカマツより葉が太く、樹皮が黒っぽいこと、冬芽の鱗片が本種は白っぽく、アカマツは赤っぽいことで、区別できる。見分け方の詳細は「類似種の見分け方」参照。
⑦名前の由来:幹が黒っぽいことによる。別名の「オマツ」は「雄松」で、アカマツ(雌松)に比べて荒々しい感じがすることから。
葉表 葉裏
葉裏拡大 雄球花
雌球花 球果
裂開した球果 近影
全影
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