キャラボク(別名:ダイセンキャラボク) (イチイ科イチイ属)
①分布等:本州の日本海側(秋田県乳頭山~鳥取県大山)に生育する常緑低木。雌雄異株。イチイの変種で、主幹ははっきりせず下部から分岐し、または、地面を這うことが多く、斜上して、高さは1~3mになる
②分類:針葉樹-針状・線状・広線状葉-互生-螺旋状かかまぼこ型に付く-葉先が尖る(図37)。
③葉は、不規則な螺旋状に密生して互生し、輪生のようにみえる。2列に並ぶことはない。葉身は 長さ 1.5~2.5cm、幅 0.2~0.3cmの扁平な線形。先端は急に細く尖っているが、握っても痛くない
質は柔らかく、葉の表面は濃緑色。裏面は淡緑色で、主脈の両側に黄緑色の気孔帯があるが、あまり目立たない。
⑤花期は3~5月。雌雄異株。葉腋に螺旋状につく。雄球花は球形で淡黄色。雌球花は卵形で、緑色の鱗片に包まれ、胚珠が1個ある。果実は仮種皮果。種子は、長さ0.5cmで卵球形で、赤く多肉質で核果状の仮種皮に包まれ、上端はまるく空いており、9~10月に熟す。仮種皮は甘く生食できるが、種子は有毒。
⑥類似種:「イチイ」に似るが、横に伸びた枝の葉のつき方がイチイは2列に並ぶが、本種はで螺旋状なので区別できる。詳細は「類似種の見分け方」参照。
⑦名前由来:「伽羅木」の意で、香料をとるトウダイグサ科の伽羅樹に見立てたもの。
⑧キャラボクのうち鳥取県大山の頂上付近に自生する大群落をダイセンキャラボクと称しているが、植物学的には同一。この群落は、1952年に「ダイセンキャラボクの純林」として国の特別天然記念物に指定されている。
葉表 葉裏
上から見た葉序 葉裏拡大
枝拡大 雄花
種子(仮種皮に包まれている) 近影
全影 全影2
ダイセンキャボクの純林(特別天然記念物)  
 
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