マルバノキ(別名:ベニマンサク) (マンサク科マルバノキ属)
①分布等:本州(中部地方以西)、四国 (高知県)の山地の日当たりのよいやせた岩地に稀に自生する落葉低木。日本固有種。谷筋などの岩石地に多く、高さ2~3mになる。株立ちとなることが多い。樹皮は灰褐色で、縦に割れ目がある。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-葉は不分裂葉-互生-きょ歯なし-下面は毛がない-側脈は明瞭-落葉性(図24)。
③葉は互生で、葉身の長さ 5~11cm、幅 4.5~10cm の卵円形~卵心形。葉柄は長く 4~7cm葉先は円いか鈍く尖り、基部は心臓形で、基部から5~7本の掌状脈が出る。縁は全縁。
④葉の表面は緑色、裏面は白緑色で、両面とも無毛。葉柄は両端がやや膨らみ、しばしば赤味を帯びる。若い枝は赤褐色で無毛、円い皮目が多い。
⑤花期は10~11月。葉腋から短い枝をだし、紅紫色の花を背中合わせに2個つける。花弁は5個あり、長さ0.7~0.8cmの線形。秋の紅葉が美しく、紅葉と紅紫色の花が同時期に見られるのが特徴。果実は蒴果。長さ1~1.5cm、幅1.3~1.5cmの倒心形で、翌年の10~11月に熟す。はじめ帯緑白色であるが、のち暗褐色に変わり、4つに裂けて光沢のある黒い種子をだす。
⑥類似種:マメ科の「ハナズオウ」と、葉の形、大きさ、色合いなど瓜二つといってよいほどよく似ているが、ハナズオウは細い枝がジグザグに伸びること、 葉柄の両端が急激に膨らんでいること、葉縁がやや裏側に反る点で、本種と異なり区別できる。
⑦名前の由来:「円葉の木」の意で、卵円形の円い葉の形から。別名のベニマンサクは、秋に咲く紅紫色の花が春先に咲くマンサクの黄色の花に似ていることから。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉表拡大2
葉柄 葉裏拡大
若い実 近影
近影2(紅葉) 全影
全影(紅葉)
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