メタセコイア(別名:アケボノスギ) (ヒノキ科メタセコイア属)
①分布等:全国各地に植栽。中国四川省原産の落葉高木。雌雄同株。針葉樹としては珍しい落葉樹。幹は直立し、円錐状の樹形となり、高さ25~30mになる。葉も枝も対生するのが特徴。樹皮は赤褐色で、縦に裂けて薄く剥がれる。
②分類:針葉樹-針状・線状・広線状葉-対生(図34)。
③葉は左右2列に並んで羽状に対生し、一見、羽状複葉のように見える。葉身は 長さ 0.8~3cm、幅 0.1~0.2cmの扁平な線形。葉柄は極めて短く、先端は急に尖る。側枝も対生する。
葉質は薄くて柔らかく、先は尖るが、にぎっても痛くはない葉は表裏面とも明るい灰緑色で無毛裏面の中央に1本の濃緑色の線があり目立つ。若い枝は、はじめ赤味を帯びた緑色で、のち、褐色~灰褐色になる。秋の紅葉はレンガ色で、小枝ごとに落葉する。
⑤花期は2~3月。雌雄同株。雄球花は円錐花序または総状花序となって枝から垂れ下がる。雌球花は緑色の楕円形で、短枝の先に1個ずつつく。種子は球果に包まれる。球果は、直径1.5~2.5cm卵状球形で、10~11月に褐色に熟す。
⑥類似種:「ラクウショウ」や「ヒマラヤスギ」に似るが、ラクウショウは葉が互生するので区別できる。ヒマラヤスギは、葉が長枝にらせん状に互生するか短枝には束生するに対し、本種は葉が左右2列に並んでつくことで区別できる。詳細は「類似種の見分け方」参照。
⑦名前由来:本来の和名は「アケボノスギ」であるが、あまり流布しておらず、属名の「メタセコイア」を、そのまま読んでメタセコイアと呼ばれることが多い。メタセコイアはギリシャ語の「meta(後に)+ Sequoia(セコイアスギの属名)」 が語源である。
⑧メタセコイア属の植物は絶滅したと考えられていたが、1945年、中国の揚子江支流で発見され「生きている化石」として有名になった。
本種は、旧分類では「スギ科」とされていた
葉表 葉裏
葉裏拡大 若い球果
若い実と雄花の冬芽 裂開した球果
近影(枝も対生している) 近影(新緑)
全影(中央の2本) 全影2
 
 
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