オオイタビ(クワ科イチジク属)
①分布等:本州(千葉県以西)、四国、九州、沖縄 の山地に自生するつる性常緑樹。雌雄異株。枝から気根を出して岩や樹木などに張り付いてよじ登る。
②分類:広葉樹(つる性)-単葉-互生-きょ歯なし(図3)
③葉は互生し、葉身は 長さ 3~7cm、幅 2~4cm の楕円形~卵形楕円形。葉柄は 1~2.5cm。葉の先端は鈍く尖り、基部は円形~切形。縁は全縁で、裏側に反りかえり、基部から3行脈がでる。葉脈は表面で凹み裏面に隆起し、表面のシワが目立つ。側脈は4対あり、主脈から30~40度の狭い角度で分岐する。
④葉は厚い革質で、表面は深緑色で平滑、光沢があり、裏面は粉白色で葉脈の網目が目立つ。両面とも無毛。葉柄と若い枝には褐色の伏した短毛が密生する。枝や葉を折ると白い乳液が出る。
⑤花期は5~7月。雌雄異株。葉腋に短柄のある花嚢が1個ずつつく。花嚢は長さ3.5~4.5cmの倒卵状球形。果実は複合果(イチジク状果)。果嚢は3~5cmのイチジクに似た壷状で、9~11月ごろ紫褐色に熟し、甘くて美味しい。
⑥類似種:同属の「イタビカズラ」、「ヒメイタビ」に似るが、これら2種は側脈が主脈から分岐する角度が50~60度と大きいのに対し、本種の角度は30~40度と狭い点で区別できる。詳細は「類似種の見分け方」参照
⑦名前の由来:「イタビ」はイヌビワの別称で、果実がイヌビワに似ていて大きいから。
葉表 葉裏
葉裏拡大 雌花嚢(断面)
若い雌果嚢 近影
全影  
 
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