オトコヨウゾメ(ガマズミ科ガマズミ属)
①分布等:本州(北陸地方を除く)、四国、九州 の山地に自生する落葉低木。日本固有種。幹はよく分岐して茂り、高さ1~3mになる。樹皮は灰褐色。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯あり-落葉性-側脈は葉縁に達する(図17)。
③葉は対生し、葉身は 長さ 4~9cm、幅 2~4cmの広卵形~楕円状披針形。葉柄は0.3~0.8cm。葉先は急に鋭く尖り、基部は円形または広い楔形。葉縁には先端が小突起に終わる三角状の粗いきょ歯がある。
④葉質は膜質やや薄くなめらか。葉の表面は濃緑色で、毛はないか少し散生する。裏面は帯白緑色で、葉脈が隆起し、伏した絹毛が葉脈上にある。基部にはふつう1~3個の腺点がある。 葉柄ははじめ長毛がある。若い枝は赤褐色で無毛葉は乾くと黒変するが、これは他のガマズミ類には見られない特徴である。秋の紅葉は美しい。
⑤花期は4~5月。枝先に散房花序をだし、白い花を数個下垂する。花冠は直径0.6~0.9cmで5中裂し、花序の柄は2~3cm。花序の基部には1対の葉がつく。花冠は直径0.6~0.9cmで、5中裂し斜開する。萼片は5個あり、小さい三角状で紅色。果実は核果。長さ0.5~0.8cmの楕円形で、9~10月に赤く熟す。
⑥類似種:「ガマズミ」、「コバノガマズミ」、「ミヤマガマズミ」に似るが、ガマズミは本種より葉の幅が広く葉柄が1~2.5cmと長いこと、コバノガマズミは葉柄に短毛と星状毛が密生し長毛が混じること、ミヤマガマズミも本種より葉柄が0.9~2cmと長いことで区別できる。詳細は「類似種の見分け方」を参照
⑦名前の由来:定説はない。ガマズミ類をヨソゾメという地方があり、ガマズミは実が大きくて食べられるに対し、本種の実は痩せていて食べられないので「男」を頭につけたのではないかという説がある。
本種は、旧分類では「スイカズラ科」とされていた。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉裏拡大
実と乾燥で黒変した葉
近影 全影 
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