①分布等:各地で公園樹などとして植栽。北米東南部原産の落葉高木。雌雄同株。若い樹では円錐形、大きくなると丸みを帯びた樹形となる。幹は直立し、高さ15~30mになる。湿地に生育する場合は、気根と呼ばれる呼吸根をだし特異な景観をつくる。樹皮は灰褐色~赤褐色で、縦に細かく裂けて剥がれる。 ②分類:針葉樹-針状・線状・広線状葉-互生-左右2列に葉が着く-葉先が尖る(図35)。 ③葉は短枝に左右2列に互生し、長枝にらせん状につく。葉身は 長さ 1~2cm、幅 約0.1cmの扁平な線形。2列互生する葉の長さが不揃いなのが特徴。先端は尖り、葉柄はほとんどない。側枝も互生する。 ④質は柔らかく、先は尖るが、にぎっても痛くはない。両面とも灰緑色で無毛。裏面中央に濃緑色の線がある。若い枝は緑色で、のち光沢のある褐色となる。 ⑤花期は4月。雌雄同種。雄球花は長さ10~20cmの円錐花序に多数つき、雌球花は緑色で枝の先に数個つく。種子は球果に包まれる。球果は、直径2~3cmの球形で、10~11月に緑白色から暗褐色に熟す。 ⑥類似種:「メタセコイア」や「ヒマラヤスギ」に似るが、メタセコイアは葉が対生すること、側枝の付き方もメタセコイアが対生に付くのに対し、本種は互生につく点で区別できる。 また、ヒマラヤスギは、葉が長枝にはらせん状に互生するか短枝には束生するに対し、本種は葉が短枝に左右2列に並んでつくことで区別できる。詳細は「類似種の見分け方」参照。 ⑦秋には赤褐色に色づいて側枝ごと落ちる。 ⑧名前由来:「落羽松」の意で、葉が左右2列の羽根状に付き、秋には枝ごと落ちることから。別名の「ヌマスギ」は、原産地の北米東南部では湿潤な沼地や川辺などに生育していることから。 ※本種は、旧分類では「スギ科ヌマスギ属」とされていた。 |
葉表 | 葉裏 | |
葉裏拡大 | 若い球果 | |
裂開した球果 | 近影 | |
気根 | 遠景(2本) | |
紅葉 | 全影 | |
幹 | ||