①分布等:庭木などとして稀に植栽。アメリカ北西部原産の落葉落葉低木。高さ1~3mになる。 ②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯なし-落葉性(図15)。 ③葉は対生または、3輪生し、葉身は 長さ 7~18cm、幅 4~10cmの楕円形~卵形。葉柄は1~3cm。葉先は急に狭くなり尾状に尖る。基部は円形。葉縁は全縁で大きく波打つ。 ④質は革質でやや柔らかい。表面は濃緑色で光沢があり無毛。裏面は白味を帯びた淡緑色で細脈までよく見え、脈上に短毛がありザラつく。葉脈は細脈まで表面で凹み裏面に隆起し、表面はシワが多い。若い枝は淡緑色で無毛、2年枝は淡緑褐色。 ⑤花期は7~8月。新枝の枝先または下部の葉腋から、花柄を伸ばし直径2~3cmの頭状花序を数個だす。花は白色の細長い筒状で先端は4裂し、中央から長い花柱が突き出しその先端はこん棒状に膨らむ。花序全体として放射状の花姿が美しい。果実は痩果が集まった直径約1cmの球状の複合果。 ⑥類似種:本種同様に美しい放射状の花序をもつものとして、同じアカネ科であるが属が異なるタニワタリ属の「タニワタリノキ」、<シマタニワタリノキ>がある。この2種は常緑低木~小高木であり、また、花筒の先端が5裂する点で本種と明確に区別できる。なお、タニワタリノキとシマタニワタリノキでは、*タニワタリノキは茎が無毛であるが、シマタニワタリノキには微毛がある、*葉脈の支脈と主脈の角度が、タニワタリノキでは直角に近く、シマタニワタリノキでは葉の先端方向に向いていることで、区別できる。 ⑦名前の由来:「玉傘の木」の意で、花序の形状からの類推。別名のアメリカタニワタリノキは、アメリカに産するタニワタリノキの意で、タニワタリノキは谷沿いに生えることから。 |
葉表 | 葉裏 | |
葉表拡大 | 葉表拡大2 | |
葉裏拡大 | 葉裏拡大2 | |
3輪生の葉 | 枝 | |
花 | 若い実 | |
近影 | 全影 | |