ツルコウジ(サクラソウ科ヤブコウジ属)
①分布等:本州(千葉県以西)、四国、九州、沖縄 の山地に自生する常緑小低木。幹は地面を横に這い、斜上して、高さ10~20cmになる。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-きょ歯あり-きょ歯は単きょ歯-側脈は葉縁に達する-常緑性(図27)。
③葉は幹の上部や節に3~5個輪生状に集まって互生する。葉身は 長さ 2~6cm、幅 1.5~3cm の卵形~長楕円形。葉柄は 0.3~1cm。側脈は5~7対。葉の先端は尖り、基部は楔形で葉柄に流れる。葉縁には粗大な歯牙状のきょ歯と毛がある。
④質は厚い洋紙質。葉の表面は暗緑色、裏面は灰緑色で、両面とも毛が多くザラつく葉柄と枝には茶褐色の長毛が密生する。
⑤花期は6~8月。枝の鱗片葉の脇から2~3cmの散形花序をだし、2~4個の花を下向きにつける。花冠は白色、直径約0.6~0.7cmの鐘形で、先端は5深裂し、裂片は広卵形、腺点がある。萼裂片は狭卵形で、外面には長軟毛がある。花柄は0.7~1.2cmで粒状の毛と長毛がある。果実は核果。直径0.5~0.6cmの球形で、12月ごろ赤く熟す。
⑥類似種:「ヤブコウジ」に似るが、本種は、葉や茎に長毛があること、茎が長く匍匐すること、きょ歯が粗いことで区別できる。<オオツルコウジ>は、ヤブコウジと本種との中間的な形質をもち、葉は長さ5~13cm、幅 2~4cmと大きく、萼片は無毛。
⑦名前の由来:「蔓柑子」の意で、枝がつる状に匍匐し、葉がミカン科の柑子(コウジ)に似ているから。
本種は、旧分類では「ヤブコウジ科」とされていた
葉表 葉裏
葉表拡大 葉表拡大2
葉裏拡大 若い実
近影 近影2
全影  
 
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