ヤマボウシ(ミズキ科ミズキ属)
①分布等:本州、四国、九州 の山地に自生する落葉小高木。幹は直立し、多くに分岐し、高さ5~10mになる。樹皮は暗赤褐色~灰黒色で、老木ではまだら模様に厚く剥がれる。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯なし-落葉性(図15)。
③葉は対生し、枝先に集まってつく。葉身は 長さ 4~12cm、幅 3~7cmの広卵形~円形。葉柄は0.5~1cm。先端は急に鋭く尖り、基部は円形。側脈は4~5対で緩やかに弧を描いて葉先に集まる。全縁であるが、縁は細かく波打ち、一見、きょ歯があるように見える
④質は薄く、表面は緑色、裏面は緑白色。両面とも伏毛が散生するが、裏面の脈腋に黒褐色の毛の塊があるのが特徴である。若い枝は褐色または赤褐色を帯び、多数の皮目がある。
⑤花期は6~7月。両性花。葉の展開後に開花する。花は頭状花序。花弁のように見えるのは総苞片、4枚あり、長さ3~6cmの狭卵形で、先端は鋭く尖る。総苞片の色は白色で、ときに淡紅色を帯びることもある。総苞の中心に淡黄緑色の小さい花を20~30個密集して頭状につける。花弁と雄しべは各4個、雌しべは1個。果実は液果状の核果が集まった複合果。直径1~1.5cmの球形で、9~10月に赤く熟し、生食できる。
⑥類似種:「ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)」は、アメリカ原産のヤマボウシで、総苞片の先が凹む。「ヒマラヤヤマボウシ」は、葉が細長い。見分け方の詳細は「類似種の見分け方」参照。その他類似種として、<ベニヤマボウシ>は、総苞片が淡紅~紅色である。<ハナヤマボウシ>は、総苞片が長さ0.7~0.8cmと大きい。<ヤエヤマヤマボウシ>は、ヤマボウシの亜種とされ、石垣島、西表島に自生し、葉の縁が波打たないのが特徴。
⑦名前の由来:「山坊師」の意で、花の中央の丸い蕾の集まりを、僧侶(山法師)の頭に見立て、4枚の白い総苞片を頭巾に見立てたものとされている。
葉表 葉裏
葉表拡大 葉裏拡大
花(中央にの性花と4枚の総苞片)
花序(頭状) 若い実(集合果)
近影 近影2
全影
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