セイヨウヤブイチゴ(別名:ブラックベリー) (バラ科キイチゴ属)
①分布等:北海道、本州、四国、九州 で植栽または野生化。ヨーロッパや北アメリカ原産の落葉低木。幹は立木性または半立木性で、高さ1~3mになる。つる性のものもあり、多くの栽培品種がある。
②分類:広葉樹(直立性)-複葉-3出・掌状複葉(図5)。
③葉は5掌状複葉(花のつく前年枝の葉は3出複葉)で、頂小葉の葉身は、長さ6~12cmの卵円形~卵形。葉先は急に狭まって鋭く尖り基部は浅い心臓形~切形。葉縁には粗く不整な重きょ歯がある。
④葉の表面は緑色で、裏面は白緑色で白色の綿毛が密生する。葉軸や葉の裏の主脈には鋭い刺が無数にある。葉柄の基部には線形の托葉が2個ある。
⑤花期は4~5月。散形花序または総状花序をだし、白色~淡紅紫色の花をつける。果実は核果が多数集まった集合果(キイチゴ状果)。はじめ、黄緑色から赤紫色に変わり、熟すと黒色となる。甘酸っぱく食べられるが、酸味が強いのでジャムに加工されることが多い。
⑥類似種:棘がない品種もあり<トゲナシブラックベリー>と呼ばれている。なお、一見似ているように見える「カジイチゴ」とは、カジイチゴの葉が掌状に深裂するに対し、本種の葉は掌状に全裂することで区別できる。キイチゴ属には多数の類似種があり、詳細は「キイチゴ属の検索表」参照。
⑦名前の由来:西洋から持ち込まれた藪を好む木苺の意。別名の「ブラックベリー」は、果実が黒く熟すことによる。
小葉表 小葉裏
小葉表拡大 小葉表拡大2
小葉裏拡大
3出複葉の葉 托葉
近影 全影
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