マンサク(マンサク科マンサク属)
①分布等:本州(関東以西の太平洋側)、四国、九州 の山地に自生する落葉低木~小高木。日本固有種。幹は株立ちして、高さ2~7mになる。
②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-互生-単きょ歯-側脈は葉縁に達する-落葉性(図29)。
③葉は互生し、葉身は 長さ 5~10cm、幅 4~7cmの菱形状円形~広卵形。葉柄は0.5~1.5cm。側脈は6~8対。上半部はやや三角状で、先端は短く尖り、基部は左右不対称のゆがんだ円形または浅い心臓形。基部から3主脈がでる。葉縁には粗い波形のきょ歯がある。
葉質は厚く、表面は緑色、裏面は淡緑色。はじめ葉の両面に星状毛が散生するが、成葉では裏面脈沿いや脈腋、葉柄に残る。若い枝は灰褐色で星状毛が密生する。2年枝以降は無毛となり、やや大きい楕円形の皮目が多い。
⑤花期は2~3月。葉が展開する前に、葉腋から出た短い柄の先に2~4個集まってつける。花は黄色。花弁は4個で長さ約2cmの線形。萼片は暗紫色で4個で長さ約0.2cmの卵形。果実は蒴果。直径約1cmの卵球形で、表面に褐色の毛が密生する。9~10月に熟すと2つに裂ける。
⑥類似種:「マルバマンサク」に似るが、マルバマンサクは葉の上半部が円形で先端が円形または鈍く尖るに対し、本種は葉の上半部が三角形であることで区別できる。また、「アテツマンサク」にも似るが、アテツマンサクは両面とも星状毛が多く、脈上に特に密生するに対し、本種は両面とも星状毛が散生し、古い葉では脈腋以外は無毛となることで見分ける。見分け方の詳細は「類似種の見分け方」参照。この他、 中國原産で香りのよい黄色の花が咲く 「シナマンサク」、マンサクとシナマンサクの交配種で赤い花が咲くハマメリス インテルメディア'ディアン'>、マンサクとシナマンサクの交配種でオレンジ色を帯びた濃赤銅色の花が咲く<ハマメリス インテルメディア'エレナ'>などがある。<オオバマンサク>は、葉身の長さが7~14cmと大きく、本州の東北地方~関東地方中部の太平洋側に分布するが、マンサクの葉とは連続的で区別がつけにくい。
⑦名前の由来:枝一杯に花を咲かせるので「満作」、また、早春に葉に先立って花が咲くことから「まず咲く」が訛ったなどの説がある。
葉表 葉裏
葉裏拡大
近影 近影2
全影
シナマンサクの花 交配種ディアンの花
交配種エレナの花  
 
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