アジサイ | ガクアジサイ | エゾアジサイ | ヤマアジサイ | |
アジサイ科アジサイ属 | アジサイ科アジサイ属 | アジサイ科アジサイ属 | アジサイ科アジサイ属 | |
葉と 枝 |
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①分布等:北海道、本州、四国、九州、沖縄 で植栽されている落葉低木。ガクアジサイを母種とし日本で生まれ、花序全体が装飾花となった園芸品種。奈良時代からあったといわれる。株立ち状で、高さ1~2mになる。樹皮は灰褐色。 ②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯あり-落葉性-側脈は葉縁に達しない-下面に星状毛なし(図19)。 ③葉は十字対生する。 ④葉身は 長さ 8~20cm、幅 5~15cmの広卵形~楕円形。 ⑤葉柄は1.5~3.5cm。 ⑥先端は鋭く尖り、基部は広い楔形。 ⑦葉縁にはやや大きい三角状のきょ歯がある。 ⑨葉質はやや厚く、葉の表面は緑色で光沢がある。 ⑩裏面は淡緑色で葉脈上に毛がある。 ⑪若枝は緑色で太い。 |
①分布等:本州(房総半島、三浦半島、伊豆半島、伊豆七島)、四国(足摺岬)、九州(南部)などの沿海地に自生する落葉低木。日本固有種。幹は株立ちし、高さ2~3mになる。樹皮は灰褐色~灰白色で筋状の縦の割れ目が入り薄く剥がれる。 ②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯あり-落葉性-側脈は葉縁に達しない-下面に星状毛なし(図19)。 ③葉は十字対生する。 ④葉身は 長さ 10~18cm、幅 6~10cmの長楕円形~卵状楕円形。 ⑤葉柄は1.5~3.5cm。 ⑥先端は鋭く尖り、基部は楔形。 ⑦葉縁には山形の粗いきょ歯がある。 ⑧側脈は5~9対で表面で凹み裏面に隆起する。 ⑨葉質は厚く(落葉樹で本種ほど厚みのある葉は稀)、葉の表面は無毛、緑色で光沢が強い。 ⑩裏面は淡緑色で脈腋にわずかに毛があるほかは無毛。 ⑪若枝は淡緑色で、古い枝は灰褐色~灰色で無毛、楕円形の皮目が散生する。 |
①分布等:北海道、本州(日本海側)、九州 の山地に自生する落葉低木。幹は叢生し、高さは1~1.5mになる。 ②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯あり-落葉性-側脈は葉縁に達しない-下面に星状毛なし(図19)。 ③葉は十字対生する。 ④葉身は 長さ 10~17cm、幅 6~10cmの広楕円形~卵状広楕円形。 ⑤葉柄は3~5cm。 ⑥先端は急に狭く尾状に伸びて鋭く尖り、基部は広い楔形。 ⑦葉縁にはやや大きい三角状のきょ歯がある。 ⑨葉質はやや厚く、葉の表面は緑色で無毛。 ⑩裏面は淡緑色で葉脈上に毛があるが、個体差があり、棘状の毛が散生するものから、伏毛がやや密に生えるものまである。 ⑪若枝は緑色で細く、淡紫色の細長い斑点が散生する。 |
①分布等:本州(関東以西の太平洋側)、四国、九州 の谷間の湿地や渓谷などに自生する落葉低木。幹は叢生し、下部からよく分岐し、高さ1~2mになる。樹皮は灰褐色で、薄く剥がれ落ちる。 ②分類:広葉樹(直立性)-単葉-不分裂葉-対生-きょ歯あり-落葉性-側脈は葉縁に達しない-下面に星状毛なし(図19)。 ③葉は十字対生する。 ④葉身は 長さ 10~15cm、幅 5~10cmの長楕円形。 ⑤葉柄は1~3cm。 ⑥先端は尾状に伸びて鋭く尖り、基部は楔形。 ⑦きょ歯は三角状のやや粗いものから、波状のものまで変化がある。 ⑧葉脈は5~10対で、表面で凹み裏面に隆起、表面のシワが目立つ。 ⑨葉質は薄く、表面は緑色で短毛を散生する。 ⑩裏面は淡白緑色で、葉脈上に毛があるか無毛、脈腋には白い毛のかたまりがある。 ⑪若い枝は淡緑色ではじめ曲がった毛が密生するが、のち無毛、赤紫褐色の斑点があるのが特徴。次年枝は灰褐色。 |
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葉表 | ||||
④葉身は 長さ 8~20cm、幅 5~15cmの広卵形~楕円形。 ⑤葉柄は1.5~3.5cm。 ⑥先端は鋭く尖り、基部は広い楔形。 ⑨葉質はやや厚く、葉の表面は緑色で光沢がある。 |
④葉身は 長さ 10~18cm、幅 6~10cmの長楕円形~卵状楕円形。 ⑤葉柄は1.5~3.5cm。 ⑥先端は鋭く尖り、基部は楔形。 ⑧側脈は5~9対で表面で凹み裏面に隆起する。 ⑨葉質は厚く(落葉樹で本種ほど厚みのある葉は稀)、葉の表面は無毛、緑色で光沢が強い。 |
④葉身は 長さ 10~17cm、幅 6~10cmの広楕円形~卵状広楕円形。 ⑤葉柄は3~5cm。 ⑥先端は急に狭く尾状に伸びて鋭く尖り、基部は広い楔形。 ⑨葉質はやや厚く、葉の表面は緑色で無毛。 |
④葉身は 長さ 10~15cm、幅 5~10cmの長楕円形。 ⑤葉柄は1~3cm。 ⑥先端は尾状に伸びて鋭く尖り、基部は楔形。 ⑧葉脈は5~10対で、表面で凹み裏面に隆起し、表面のシワが目立つ。 ⑨葉質は薄く、表面は緑色で短毛を散生する。 |
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葉表 | ||||
⑩裏面は淡緑色で葉脈上に毛がある。 |
⑩裏面は淡緑色で脈腋にわずかに毛があるほかは無毛。 |
⑩裏面は淡緑色で葉脈上に毛があるが、個体差があり、棘状の毛が散生するものから、伏毛がやや密に生えるものまである。 | ⑩裏面は淡白緑色で、葉脈上に毛があるか無毛、葉腋には白い毛のかたまりがある。 | |
葉表 拡大 |
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⑦葉縁にはやや大きい三角状のきょ歯がある。 | ⑦葉縁には山形の粗いきょ歯がある。 | ⑦葉縁にはやや大きい三角状のきょ歯がある。 | ⑦きょ歯は三角状のやや粗いものから、波状のものまで変化がある。 | |
葉表 拡大2 |
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⑨葉質はやや厚く、葉の表面は緑色で光沢がある。 | ⑨葉質は厚く(落葉樹で本種ほど厚みのある葉は稀)、葉の表面は無毛、緑色で光沢が強い。 | ⑨葉質はやや厚く、葉の表面は緑色で無毛。 | ⑨葉質は薄く、表面は緑色で短毛を散生する。 |
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葉裏 拡大 |
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⑩裏面は淡緑色で葉脈上に毛がある。 |
⑩裏面は淡緑色で脈腋にわずかに毛があるほかは無毛。 | ⑩裏面は淡緑色で葉脈上に毛があるが、個体差があり、棘状の毛が散生するものから、伏毛がやや密に生えるものまである。 | ⑩裏面は淡白緑色で、葉脈上に毛があるか無毛、脈腋には白い毛のかたまりがある。 | |
枝 | ||||
⑪若枝は緑色で太い。 | ⑪若枝は淡緑色で、古い枝は灰褐色~灰色で無毛、楕円形の皮目が散生する。 | ⑪若枝は緑色で細く、淡紫色の細長い斑点が散生する。 | ⑪若い枝は淡緑色ではじめ曲がった毛が密生するが、のち無毛、赤紫褐色の斑点があるのが特徴。次年枝は灰褐色。 | |
花 | ||||
⑫花期は6~8月。枝先に直径約20cmの球状の散房花序をだし、多数の花を密に咲かせる。装飾化の色は淡い青紫色から淡緑色、淡紅色など、品種により変化がある。雄しべと雌しべが退化しているため果実はつかない。 ⑬果実はつかない。 |
⑫花期は6~7月。雌雄同株。当年枝の枝先に直径10~20cmの集散花序をだし、花序の周辺に直径が3~8cmの装飾花、花序の中央には直径約0.5cmの淡紫色の両性花をつける。装飾花には、長さ1.5~2.5cmの萼片が3~4個あり、色ははじめ白色から次第に青紫色に変わる。両性花は、多数あり、花筒は長さ約1.5cmの倒円錐形。花弁は淡青紫色で5個ある。 ⑬果実は蒴果。長さ0.6~0.9cmの倒卵形で、11~12月に萼と花柱を残して熟す。 |
⑫花期は6~8月。雌雄同株。枝先に直径10~17cmの散房花序をつける。装飾花は青色~淡青色で直径2.5~4cm。萼片は3~5個あり、広卵形~菱形状円形で、やや重なり、縁は全縁または鈍歯牙状のきょ歯が少しある。 ⑬果実は蒴果。長さ0.5~0.7cmの倒卵形。 |
⑫花期は6~7月。両性花と装飾花。枝先に直径5~10cmの集散花序をだし、両性花の周りを装飾花が取り囲む。装飾花は直径1.5~3cmで、萼片は楕円形または卵形で3~4個。萼片の色は白色から淡青色または淡紅色など変異が大きい。両性花は白または淡紫色で、花筒は長さ約1.5cm、花弁は5個、雄しべは10個。 ⑬果実は蒴果。直径約0.4cmの卵形または楕円形で、10~11月に淡褐色に熟す。 |
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【見分け方のポイント】 アジサイ、ガクアジサイ、エゾアジサイ、ヤマアジサイは、次の特徴により区別する。 ★アジサイ:①葉が分厚くて表面に光沢がある、②葉の先端は尾状には伸びない、③表面にシワがほとんどない、④花はすべて装飾花、⑤花序の直径は約20cm。 ★ガクアジサイ:①葉が分厚くて表面に光沢がある、②葉の先端は尾状には伸びない、③葉脈は表面で凹み裏面に隆起し、表面のシワが目立つ、④花は両性花の周りに装飾花がつく、⑤花序の直径は10~20cm。 ★エゾアジサイ:①葉は薄くて光沢がない、②葉の先端は尾状に伸びる、③表面にシワがない、④花は両性花の周りに装飾花がつく、⑤花序の直径は10~17cmで、ヤマアジサイより2倍ほどと大きい。 ★ヤマアジサイ:①葉は薄くて光沢がない、②葉の先端は尾状に伸びる、③葉脈は表面で凹み裏面に隆起し、表面のシワが目立つ、④花は両性花の周りに装飾花がつく、⑤花序の直径は5~10cmと小さい。 |