用語解説

本図鑑を使用する際によく登場する専門用語を、「葉と枝の用語」・「花と果実の用語」及び、すべてを網羅した「五十音順全用語」に掲示して解説しました。ここで表記している解説は、厳密な定義ではなく、樹木分類に詳しくない方にもわかりやすいように簡単にかみくだいて説明したものです。なお、「花と果実の用語」は、特に記載のない場合は「被子植物」に関する用語です。    

花の生殖的分類 はな 種子植物の有性生殖器官の総称。被子植物の場合は、通常、雌しべ、雄しべ、花弁、萼片の4要素で構成される。
種子植物 しゅししょくぶつ 植物の内、有性生殖により種子をつくもの。大別すると裸子植物と被子植物がある。
裸子植物 らししょくぶつ 種子植物のうち、胚珠が剥き出しになっているのもの。裸子植物のうち、「マツ目」・「ナンヨウスギ目」・「ヒノキ目」(本図鑑では便宜的に「イチョウ目」を含めている)に分類される樹木を「針葉樹」といい、裸子植物の大半を占める。
被子植物 ひししょくぶつ 種子植物のうち、胚珠が心皮にくるまれて子房の中に収まったもの。一般に花と呼ばれる生殖器官をもち、心皮が成熟して果実となる。被子植物の「単子葉類」と「双子葉類」のうち「双子葉類」に分類される樹木は「広葉樹」といわれる。
両性花 りょうせいか 一つの花に雌しべがと雄しべがある花。例:ソメイヨシノ
単性花 たんせいか 1つの花に雄しべ・雌しべのいずれか一方だけをもつ花。
中性花 ちゅうせいか 一つの花に雄しべや雌しべがあっても退化して機能を失うか、雄しべや雌しべが全くな花。「不稔花」ともいう。例:ガクアジサイの花序の周囲にある装飾花。
雌花 しか・めばな 一つの花に雌しべのみが発達し,雄しべがないか,あっても退化している花。
雄花 ゆうか・おばな  一つの花に雄しべのみが発達し、雌しべがないか、あっても退化している花。
雌雄同株  しゆうどうしゅ   一つの株に雌花と雄花のどちらもの花を付ける植物。「雌雄異株」の対義語。例:アカマツブナハンノキ など。
雌雄異株 しゆういしゅ 一つの株には雌花か雄花のどちらかの花しか付けない植物。「雌雄同株」の対義語。「雌雄別株」ともいう。雄株と雌株の2本の木がないと実がならず、実は雌株のみにつく。本図鑑の解説ページでは、雌雄異株の場合にのみ、最初の行に「雌雄異株」と記載している。例:クロガネモチサンショウイチョウ など。
装飾花 そうしょくか 雄しべや雌しべが退化して機能を失った「中性花」で、1つの花序の周辺部のみに花弁や萼が特に大きく発達している特殊化した花。イワガラミガクアジサイなどのアジサイ科の装飾花は萼が発達したもの。カンボクヤブデマリなどのガマズミ科の装飾花は花冠が発達したもの。
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