用語解説

本図鑑を使用する際によく登場する専門用語を、「葉と枝の用語」・「花と果実の用語」及び、すべてを網羅した「五十音順全用語」に掲示して解説しました。ここで表記している解説は、厳密な定義ではなく、樹木分類に詳しくない方にもわかりやすいように簡単にかみくだいて説明したものです。なお、「花と果実の用語」は、特に記載のない場合は「被子植物」に関する用語です。  

樹種 分類階級 ぶんるいかいきゅう 分類学上の国際命名規約で定められている分類群の位置づけ。植物では、下位から上位に向けて、「種」<「属」<「科」<「目」<「鋼」<「門」 の関係にあり、下位の分類群は上位の分類群に含まれる。
科名 かめい 植物を階級分類する際の基本となる階級の単位の名前。
「科」の下に「属」→「種」の階級がある。
属名 ぞくめい 植物を階級分類する際の基本となる階級の単位で、「科」と「種」の間に位置する単位の名前。
種名 しゅめい 植物を階級分類する際の基本となる階級の単位で、「属」の下に位置図けられる単位の名前。本図鑑の解説ページでは、タイトルに種名を記載し、その種が属する科名・属名を(  )書きで表記している。例:イロハモミジ(ムクロジ科カエデ属)
樹種 じゅしゅ 「種」を樹木に適用する際の呼称で、樹木分類学上の基本単位となる種類。 樹種をさらに細かく分類階級に分ける場合は、「樹種」→「亜種」→「変種」→「品種」に階級分けする。
亜種 あしゅ 「種」をさらに細かく階級分類したときの一単位で、「種」より下で「変種」より上の階級。基本種に対して違いは少ないが、分布域や少数の形態で異なっている場合に用いる。
変種 へんしゅ 「種」をさらに細かく階級分類したときの一単位で、「亜種」と「品種」の中間に置かれる階級。基本種に対して違いがないが、地理的な差により花や葉などに違いがみられる場合に用いる。例:ラカンマキ
品種 ひんしゅ 「種」をさらに細かく階級分類したときの一単位で、「変種」の下に位置する階級。基本種とほぼ同じであるが、1~2の形質だけが異なる場合に用いられる。交配、選抜などにより人為的に作った「園芸品種」とは異なり、「品種」は自然界に存在する。「園芸品種」を略して「品種」という場合もあり紛らわしい。例:オリーブ
栽培品種 さいばいひんしゅ  交配、選抜などにより人為的に作った樹種。古くから、主に農業分野や園芸分野で使われている用語。園芸分野では「園芸品種」という場合が多い。 
園芸品種 えんげいひんしゅ 交配、選抜などにより人為的に作った樹種。「園芸品種」を略して「品種」という場合もあり、自然界に存在する「品種」と紛らわしい。例:ケムリノキ(スモークツリー)
交雑種 こうざつしゅ 異なる種や異なる亜種の関係にある樹種を特に人工的に組み合わせて交配させた樹種。例:モミジバスズカケノキ
雑種 ざっしゅ 2つの異なる種類の木が掛け合わされてできた種類。自然にできる場合と任意的に作り出した「交雑種」がある。例:ソメイヨシノ
原種 げんしゅ 交配や選抜によって改良された「園芸品種(栽培品種)」のもとになった野生の樹種。例:ヤマナシ。 
和名 わめい 日本国内で使われる種名。複数の和名(別名)をもつ木もあるが、正式な和名というのは厳密には決まっていない。
別名 べつめい 正式の種名に別の名称がある場合の名前。本図鑑の解説ページでは、タイトルに種名の隣に(  )書きで記載している。 例:ランシンボク(別名:カイノキ)(ウルシ科カイノキ属)
同定 どうてい 生物の種類を分類学的に見分けること。本図鑑では樹種を見分けること。
日本固有種 にほんこゆうしゅ 日本にしか生育しない樹種。本図鑑の解説ページでは、日本固有種である場合は、最初の行に「日本固有種」と記載している。例:スギヒノキ
外来種 がいらいしゅ 日本以外から入ってきた樹種。本図鑑の解説ページでは、外来種である場合は、最初の行に、原産地を記載している。例:スズカケノキ
原産地 げんさんち 植物が元来自生していた場所。例:アメリカスズカケノキ
自生 じせい 植物が元来その地に生育し、人為的な影響が加わっていない状態。
例:ヒノキ
野生化 やせいか もともとその地域に生育いてなかったのに、人間の活動によって他の地域から入ってきて、その地に根付き、自然状態で繁殖生育すること。例:チャノキ
かぶ 根がついている植物個体、または、根際から分かれて複数の幹が叢生している根付きの植物体全体をいう。
雌雄同株 しゆうどうしゅ 一つの株には雌花か雄花の両方の花を付ける植物。「雌雄異株」の対義語。例:アカマツブナハンノキ
雌雄異株 しゆういしゅ 一つの株には雌花か雄花のどちらかの花しか付けない植物。「雌雄同株」の対義語。「雌雄別株」ともいう。雄株と雌株の2本の木がないと実がならず、実は雌株のみにつく。本図鑑の解説ページでは、雌雄異株の場合にのみ、最初の行に「雌雄異株」と記載している。例:クロガネモチサンショウイチョウ など。
雌株 めかぶ 雌雄異株の樹木のうち雌花がついている株。
雄株 おかぶ 雌雄異株の樹木のうち雄花がついている株。
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